映画祭には、世界中から多くの人が集まる。
監督、俳優、プロデューサー、配給会社、メディア、映画祭関係者。
それぞれ目的は違っていても、同じ街に同じ期間滞在している。
では、その人たちはどこでつながるのだろうか。
映画祭というと、公式のミーティングやパーティーなど、特別な場所で人脈が生まれるイメージがある。
もちろん、そうした場所も重要なのだと思う。
しかし実際の映画祭には、それ以外にも無数の接点がある。
上映を待つ列。
マーケット会場。
カフェやホテルのロビー。
会場から会場へ移動する道。
映画祭の期間中は、街そのものが巨大な共有空間になる。
興味深いのは、普段なら出会わない人たちが、同じ作品や同じ映画祭を目的として一つの場所に集まっていることだ。
そこでは肩書きを確認してから始まる出会いだけではなく、偶然隣にいたことから始まる会話もある。
映画祭に参加する価値は、上映作品の数だけでは測れないのかもしれない。
誰と出会うのか。
どこで会話が始まるのか。
そして、その偶然がその後どこにつながっていくのか。
2027年にカンヌを訪れる際には、私はこうした「人が交差する場所」も観測してみたい。
有名な人物を探すという意味ではない。
人が集まる場所には、どのような流れがあり、どのような距離感で交流が生まれているのか。
スクリーンには映らないその風景もまた、映画祭を構成する重要な一部なのだと思う。