映画祭では、レッドカーペットと並んで「フォトコール」が行われる。
フォトコールとは、監督や俳優が作品ごとに集まり、世界中の報道関係者に向けて写真撮影に応じる公式イベントである。
一見すると、単なる記念撮影のようにも見える。
しかし、映画祭全体を観測する視点で見ると、その役割は決して小さくない。
フォトコールで撮影された写真は、世界中のニュースや映画専門メディア、新聞、ウェブサイトで使用される。
つまり、その作品を世界へ届ける最初の「公式な顔」となる。
上映前後の短い時間ではあるが、この場で生まれる一枚の写真が、映画祭全体の印象を形づくっている。
また、フォトコールでは作品ごとのチームが一堂に会するため、監督と俳優の関係性や会場の雰囲気も自然と伝わってくる。
作品そのものだけではなく、その作品を取り巻く空気まで記録される瞬間でもある。
映画祭はスクリーンの中だけで完結するイベントではない。
上映、レッドカーペット、フォトコール、記者会見といったさまざまな場面が積み重なり、一つの映画祭を形づくっている。
私は今後カンヌ国際映画祭を訪れた際、フォトコールを単なる撮影イベントとしてではなく、映画祭の空気や作品の第一印象が世界へ発信される重要な場として観測してみたいと思う。